消費者を守るPL法
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ジュエリーと製造物責任法(PL法)
PL法で問われる製造物責任とは、商品の品質の問題ではなく、製品の欠陥を要件としており、厳密には製品の欠陥により、人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合において製造業者などの損害賠償の責任を問うものです。
従って枠から宝石が外れたなどの製品の故障や破損、チェーンなどの酸化による製品の変色などのクレームはこの法律の対象にはなりません。
当ジュエリー業界におけるPL問題は、貴金属装飾品による皮膚アレルギーに係る問題及びジュエリーの形状、着用方法などの原因で身体に外傷を与えることが考えられます。
ここで言う皮膚アレルギーとは医学的には接触性皮膚炎と呼ばれているものですが、金属が原因となることから一般には<金属アレルギー>と呼ばれております。
金属アレルギーは、ネックレスなどを肌につけていると皮膚が痒くなったり、かぶれの症状がでることです。そのまま着用をしつづけていると炎症を起こし化膿します。
一番多いのはピアスの場合で、耳朶に穴を開けて着用しますのでアレルギーを起こす頻度が高いとの報告がされています。
また、スポーツなどで汗がでている時に着用したままでいると、発症しやすいとも言われています。
金属アレルギーの特徴は、すべての人に普遍的に生じるのではなく、個々の体質、あるいは身体に治療を加えた結果生ずるようになったとか、例えば歯科での治療で歯科金属に起因してアレルギー症になった例も報告されています。また、極端にはストレスが高まり身体が変調しているときに発症するなど一人一人異なっていることにあります。日本ジュエリー協会(JJA)では協会加盟の会員に対して、販売時に製造物責任法に係る個々の製品に必要な事項の説明と注意書き等をお渡しすることを奨励しております。
【注意書き例】
- 「体質によって、かゆみ・かぶれを生じる場合がありますので、皮膚に異常を感じたときは、ご使用をお止めいただき専門医にご相談ください。」
- 「力仕事や激しいスポーツをする時、就寝時や幼児の世話をする時など、身体に危害を及ぼす場合がありますのでジュエリーをはずしてください。」
- 「サウナ等高温の場所、あるいはスキー場等極寒地でのピアスなどのジュエリーの使用は、火傷、凍傷の原因となる場合がありますので、着用しないでください。」