近年、海外において合成ダイヤモンド(※)の生産技術の発達が目覚ましく、ジュエリーに供されるケースが多くなってきました。合成ダイヤモンドを用いた有名ブランドも登場しています。
物理的・化学的な性質において同一である天然と合成ダイヤモンドの相違点は、希少性の有無にあります。16 億年前の地中深くで生成され、容易に採取することが困難な天然ダイヤモンドに対し、合成ダイヤモンドは人の手によって作られたものであり安価に量産が可能です。したがって、宝石の定義の一つである「希少性」という点においてその条件を満たすことが出来ないため、当協会では「宝石」としては取り扱っておりません。
しかしながら、合成ダイヤモンドは米国などで装飾品としての市場が確立されているように、決して否定されるものではありません。消費者の方々が「安くて、美しい」ものを求めるならば、合成ダイヤモンドはそのニーズを満たすことでしょう。一方で「希少性が高く、美しい」ものを求めるならば、天然ダイヤモンドのジュエリーを購入されることでしょう。
現在、当協会会員企業各社の品質管理の徹底により、天然ダイヤモンドジュエリーに合成ダイヤモンドが混入して流通する可能性は低いと考えております。また、鑑別技術も確立されており、天然・合成ダイヤモンドについての鑑別は現状可能とのことです。但し、製品の状態及びダイヤモンドの大きさ等によっては、検査が制限される場合もあります。
当協会としましては、消費者の方々が購入の際に合理的な判断が出来るように、会員企業をはじめとする宝飾業界に対して、販売の際に適切な情報開示をするよう働きかけて行くと共に、研究機関にもご協力頂き今後も適宜情報発信して参ります。
(※)「合成ダイヤモンド」 一部メディアでは人工ダイヤモンドとも称されます。
【お問い合わせ先】
一般社団法人 日本ジュエリー協会
TEL:03-3835-8567 FAX:03-3839-6599