最近、世界の宝飾業界で「CVD合成ダイヤモンド」が話題になっています。新しい技術で開発された「CVD合成ダイヤモンド」が、天然ダイヤモンドに混ざって流通しているのではとの話があります。「CVD合成ダイヤモンド」の歴史は、2003年に米国ボストンの企業が、CVD法で合成したダイヤモンドを宝飾用ダイヤモンドとして販売する計画を発表し、それ以降、国際的な宝石検査機関からCVD合成ダイヤモンドの研究報告がなされるようになりました。2010年には米国フロリダの企業が、CVD合成ダイヤモンドの販売を開始し、ダイヤモンド業界ではCVD合成ダイヤモンドへの関心はさらに高まり、その後世界の検査機関からCVD合成ダイヤモンドに関する報告が相次いでなされている現状です。
日本の鑑別機関ではこれまで最新の検査機器を導入するなどの対応を強化しており、現在は基本的にはCVD合成ダイヤモンドは看破が可能です。しかし今年になって大手鑑別機関にCVD合成ダイヤモンドが持ち込まれた事例もあり、日本市場においても注意する必要があります。ダイヤモンド製品をお選びの際は鑑定書・鑑別書の確認、信頼できるお店での購入をお勧めいたします。
合成ダイヤモンドの開発技術は著しい勢いで進歩しています。JJAとしては今後とも世界の最新情報を収集し、鑑別機関等とも情報を交換し、業界内外に注意喚起を続け、速やかに情報開示をしていきます。
「CVD(Chemical Vapor Deposition―化学蒸着)合成ダイヤモンドとは?」
気体から合成する方法で作られたダイヤモンドのこと。基盤物質上に気相での化学反応によってダイヤモンドの結晶を成長させる合成方法で作られている。化学気相成長とも言う。従来の合成ダイヤモンドに比較して、安価に簡単に高品質のものを作り出せる方法といわれている。
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