最近、中国において製造された「高温高圧(HPHT)法による宝飾用合成ダイヤモンド」が話題になっています。中国では、近年工業用の合成ダイヤモンドの製造が、飛躍的な躍進を遂げており、世界における工業用ダイヤモンドのシェアの大半を占めるようになりました。昨年くらいから、景気後退の影響を受け、世界の工業用のダイヤモンドの需要が減退したことから、一部を宝飾用にシフトする動きが出ており、特に小粒のメレーダイヤモンド用の原石が大量に生産されているようです。その多くは、インドで研磨されていると考えられ、その一部が天然ダイヤモンドに混入されている疑いがあります。国内の鑑別機関においても、昨年くらいからHPHT法により製造された合成ダイヤモンドの発見事例が報告されています。国内の各鑑別機関においては、大粒のダイヤモンドと同様に、小粒のメレーダイヤモンドに関しても、粗選別を行い、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドを区別して鑑別することは可能です。また、製品に関しても、一部の鑑別機関では鑑別サービスを行っています。最近では、HPHT法により製造された合成ダイヤモンドを判別する簡易的な機械が開発され、国内でも機械を購入し自社で鑑別を行う企業も出てきています。
業界としても、天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの区別を明確にしていく努力をしております。また当協会会員各社は安心して購入していただける店舗を目指しています。
「高温高圧法(High Pressure And High Temperature)の合成ダイヤモンド」
高温高圧法の合成ダイヤモンドは、自然と同じ条件を機械の中に作り、炭素に高温と高圧をかけてダイヤモンドをつくります。最近では合成技術の発展が目覚しく、短時間に大量の合成ダイヤモンドを製造することが可能になりました。
「メレーダイヤモンド」
通常0.1ct(カラット)未満の小粒ダイヤモンドのこと。
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