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最近SNSやインターネットで「ラボグロウンダイヤモンド」の表現を見かけます。
新しいダイヤモンドのブランドですか?
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いいえ違います。ダイヤモンドのブランド名ではありません。
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では、「ラボグロウンダイヤモンド」とは何ですか。
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合成ダイヤモンドの販売企業の方が「ラボグロウンダイヤモンド」(*注1)と言って販売をしているようです。
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合成ダイヤモンドってなんですか?ダイヤモンドではないのですか?
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物理的・化学的にダイヤモンドと同じでも人工的に作られたものは、合成ダイヤモンドといいます。日本ジュエリー協会の規定では、ダイヤモンドといえば「天然」のものを指します。(*注2)
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天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドの違いはなんですか?
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天然ダイヤモンドは地球の深部において何億年という歳月にわたる地質学的プロセスを経て生まれた結晶です。その美しさと希少性から宝石として長く人々に愛されてきました。一方で、合成ダイヤモンドは人工的に作られた結晶です。合成ダイヤモンドは、化学成分や結晶構造、光学的・物理的特性も基本的に天然ダイヤモンドと同じです。
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同じように見えても、自然が作ったか、人が作ったか。
希少性があるか無いか。ってことですか?
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その通りです。見た目では違いが分かりにくいですが、鑑別すれば分かります。
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合成ダイヤモンドは天然ダイヤモンドに比べて価格が安いのですか?
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合成ダイヤモンドは、生産技術が飛躍的に進歩しています。装身具の素材に使用できるキレイで大きな結晶が短期間に生産できるようになりました。
そのため、希少性はありませんが、天然ダイヤモンドと比較した場合、価格は安く販売されています。ただし、装身具にした場合、プラチナや金など貴金属の使用やデザイン、その他の費用が加わる場合がありますので、単純な比較はできません。(*注3)
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天然ダイヤモンドと合成ダイヤモンドでは、どちらを買ったらいいですか?
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どちらを買うかは購入者の自由です。希少性がある天然ダイヤモンドもいいですし、同じ価格ならば、大きくてキレイな合成ダイヤモンドを選ぶという選択もありますね。例えば、普段に使うアクセサリー感覚のものは合成ダイヤモンドで、一生ものだと考えるジュエリー(*注3)は天然ダイヤモンドにするとか、用途によって分けて考えてもいいですね。
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どんなお店で買ったらいいですか?
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お客様の要望や購入の目的を理解し、商品の提案をしてくれるお店はいいですね。また、使用方法、メンテナンスなども説明して、修理などにも対応してくれるのも重要です。疑問を感じたことに対して、丁寧に説明してくれるジュエリーコーディネーター(*注4)がいるお店がお勧めですよ。
- (*注1)
- 合成の表記について欧州を中心とする英語圏では“synthetic”, “laboratory-grown”, “laboratory-created” のみを使用するものとし、“lab-grown” や “lab-created” などの略語を用いてはならないとしています。
日本ジュエリー協会(JJA)では人工的に生産されたダイヤモンドの日本語表記は「合成ダイヤモンド」としております。
- (*注2)
- <宝石もしくは装飾用に供される物質の定義および命名法>より
<宝石>とは天然石のみをさす用語であり、合成石、人造石、模造石などの人工生産物には用いられません。
また、国際的なルールにおいては何も接頭語がなく単に “diamond” と表記されている場合は、天然ダイヤモンドを意味します。
- (*注3)
- <ジュエリー及び貴金属製品の素材等の表示規定>より
ジュエリーとは、装身具のうち、素材に貴金属、天然石を用いた宝飾品のことです。
- (*注4)
- ジュエリーコーディネーターとは、ジュエリーの販売に関わる方々の人材育成のために日本ジュエリー協会が創設した検定資格制度です。