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2012年3月ジュエリーコーディネーター検定試験合格発表

鉛ガラス含浸ルビーの取扱いについて

当協会お客様相談室に昨年後半より鉛ガラス含浸ルビーに関する相談や苦情が複数件寄せられています。協会では2009年に、AGL(一般社団法人宝石鑑別団体協議会)と協議の上、この種のルビーについて鑑別結果欄に《天然ルビー+鉛ガラス》と鑑別書に記載することを決定し、業界に注意喚起をしてまいりました。
鉛ガラス含浸ルビーは耐久性に問題がある上、含浸の程度によっては本来の重量に加え鉛ガラスの重量が加わるため他の宝石とは異なる表記を採用しました。しかしながら消費者からの問い合わせが度重なるところから、国内マーケットには相当数の鉛ガラス含浸ルビーを使用した宝飾品が流通していると推測されます。

 

海外ではこの石に対し従来とは異なる鑑別表記、例えば『Composite(複合の)Ruby』また、含浸の程度によりますが『Manufactured(生成された)Product』と鑑別書に記載され、天然ルビーとは明確な線が引かれています。しかし、我が国で消費者に正確に理解されないまま購入されていることは憂慮すべき事態と考えます。
輸入製造卸小売りに携わる会員各位には、協会のジュエリー産業倫理綱領第三項『私達は、購入者が正しい商品選択ができるよう、的確な情報の提供に努めます』を、再度認識していただき、この鉛ガラス含浸ルビーの組成実態やマイナスの情報を購入前に消費者によく理解していただくよう努めてください。また、協会は販売時に添付する鑑別書は、宝石名欄に《天然ルビー+鉛ガラス》と明記する鑑別機関を採用することが消費者への情報開示として適切と考えます。

 

日本ジュエリー協会は消費者保護と消費者信頼維持を旨とし、ジュエリー産業の活性化と健全化に貢献して行く所存です。
ルビー写真