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メタ情報
月別アーカイブ: 2013年5月
CIBJO Congress 2013 Tel Aviv 報告
CIBJO総会会期:2013年5月5~9日
開催場所:Dan Panorama Convention Centre
JJA参加者:ニラム アラウディーン理事,加藤 久雄理事
オブザーバー:堀川 洋一(AGL)
オープニングセレモニーの様子
CIBJOとは、国際宝石貴金属連盟と訳され、国連の諮問機関として、宝飾品に関する国際的なルールを規定し、38ヵ国のジュエリー協会と各国のラボ、業界団体が加盟する組織です。
・日本からはJJAが加盟しており、毎年場所を変えて総会が開かれます。
・今年の総会は、昨年のVicenzaに続きWDC(World Diamond Council)の総会に合わせ、イスラエルのテルアビブで開催されました。
・テルアビブはダイヤモンドの研磨地としても有名であり、イスラエルダイヤモンド協会の強力なサポートにより華やいだ会議となりました。
・オープニングセレモニーでは、南アフリカやジンバブエの大臣からキンバリー・プロセスを順守し、健全なダイヤモンド産業を発展させていくとの話がありました。
・またCavalieri会長からは、CIBJOとしてこれまで取り組んできたCSR活動に言及し、消費者保護を第一に考え今後も活動を続けていくとあいさつで述べました。
・総会では、ダイヤモンド・カラーストーン・パール・プレシャスメタル・ジェモロジカルの各委員会において、現状の問題点が話し合われ、Blue Bookに修正点がまとめられました。
・特に今回問題視されたのは、ダイヤモンド・カラーストーン・パールの用語表記に関し、統一した表記にするべきとの意見が出され、各用語の定義をまとめていきました。
・また、エメラルドの新たな樹脂による処理が報告され、ルビーの鉛ガラス充填処理に関しても表記の仕方に関し話し合いました。
・パールにおいても世界共通のグレーディングが必要との意見が出され、タヒチ政府が主導して評価基準を考案することが確認されました。
・全体会議では選挙が行われ、Cavalieri会長をはじめとする首脳陣の再任が承認され、引き続き2年間CIBJOを牽引していくことになりました。
・次回以降の開催地は、2014年 モスクワ、2015年 ブラジル、2016年 アルメニアとの報告がありました。
会議の様子:カラーストーン委員会 アラウディーン委員長
地金の品位検査実施について
地金の品位検査実施について
日本ジュエリー協会では2013年1月の国際宝飾展(IJT2013)の会場において、無作為に購入した商品の地金品位の検査を実施いたしました(蛍光X線分析)。27点を分析検査した結果1点K18製品の品位落ちが認められました(めっきを剥がして3回測定)。
会員の皆様におかれましては、分析検査の実施等、地金の品位管理のさらなる徹底をお願い申し上げます。尚、この検査は継続して実施する予定です。
JJAお客様相談室 2012年度の相談概要
【相談概要】
・2012年度JJAお客様相談室全相談件数は356件。昨年度比1.9%減少しています。
・消費者(消費生活センターから紹介された消費者を含む)からの相談は71件で、昨年度比50%の大幅減少となりました。
・消費生活センター相談員からの相談は67件で、昨年度比13.1%増加しました。
・ジュエリーのネット販売でのトラブルに関する相談は28件で微減。
・ジュエリーの素材の表示や説明に関する相談は引き続き多く寄せられています。
・リフォームのトラブル相談は31件で横ばいでした。
・業者からの相談は、昨年度と同じ122件でした。ジュエリーの素材の表示やPL関連の相談が多く寄せられています。
■消費者からの相談は減少
消費者(センターから紹介された消費者を含む)からの相談は71件で、対昨年度比50%の大幅減少となりました。消費者からの相談は昨年度まで漸増してきましたが、今年度は大幅減となりました。ジュエリーの小売市場規模推計が9,110億円と昨年度比1.8%増加していることから考えると、消費者からの相談の減少は、消費者と販売者間のトラブルが減少していると見ることが出来ます。
ここ数年、ジュエリー業界の消費者志向が進み、ジュエリー事業者は、PLに配慮した商品作りや、販売の際、消費者に対して、ジュエリー素材の表示や説明を正しく行う等に注力してきています。
日本ジュエリー協会(JJA)では、ジュエリー事業者に対し、「販売の際には、貴金属や宝石の正しい表示や説明をきちんと行う」「販売者責任を明確にする為に必ず『販売証明書』を添付する」「貴金属の買取りの際には買取り内容を書面で残す」などの注意を継続的に喚起し、コンプライアンスを高めることを目標としてきました。このため、JJAのホームページでも、ジュエリー事業者向けに、『貴金属素材の表示規定』の他、『販売証明書』『買取り明細書』の雛型を広く提供しています。
■全国の消費生活センターからの相談は増加
全国の消費生活センターからの相談件数は67件で、昨年度比13.1%増加しています。相談内容は、「販売方法の問題や悪質商法について」が多くなっています。デート商法で「『希少性のあるダイヤモンドだから持っていて損は無い』と言って、低品質のダイヤモンドを高額で販売された」等セールストークについての問題が多く見られます。
また、「90%引きとの表示で販売しているが、実際は平常価格の50%引きだった」等、小売店での不当な二重価格について相談が寄せられました。その他、恒常的に大幅値引き販売を行っているジュエリー業者に関して「元の価格は根拠のあるものなのか?」との相談が寄せられています。
ジュエリーの価格に関して決まりは無く、販売者のコンプライアンスに関わる問題ですが、理由の無い、恒常的な値引き販売が消費者の信頼を失っていることを示しています。
一方、『貴金属の悪質訪問買取りに関わる特商法の一部改正』が昨年8月に交付され、今年3月から施行されています。今年度、悪質訪問買取りに関わる相談は減少していますが、多くの消費生活センターからは「地方都市では、ジュエリーの悪質訪問買取りが今も後を絶たない。買い取って直ぐ逃げてしまう業者を今回の法改正で規制することは難しい。」とのご意見も頂いています。
■TV、ネット等通信販売の相談件数は横ばい
ジュエリーの通販市場は、販売チャネル別の小売市場において昨年度比8.3%の伸びを示しており、拡大の一途ですが、通販に関する相談は昨年度比横ばいでした。ネット、TV等通信販売でのトラブルは減少傾向にあることが伺えます。
通信販売に関する相談内容では、消費者が「画像と実物の違い」や「商品の誤認表示・誤認説明」について相談を寄せています。事例としては、「ネットで販売している指輪の素材表示がCZダイヤモンドとなっていたが本物のダイヤモンドではないようだ。」「ネット上の商品説明で、ダイヤのグレーディングレポートの画像を載せて(代表鑑別)いたが、届いたダイヤはこの品質のものではなかった。」「ネット販売で、Ag900/Pt100のジュエリーをPt100%と誤認するPt100との表示で販売している。」「テレビ通販で、届いた商品がTVで説明されていたものより著しく品質が劣るものだった。」等が挙げられています。
ジュエリーの通販事業者は「商品の誤認説明や誤認表示」とならないように正しい表示や説明を行なうことが重要です。一方、テレビ通販では放送中の説明に関し、「言った」、「言わない」のトラブルも増えています。このようなトラブルに対し、一部の消費生活センターでは放送を録画してトラブル相談に備えるなどの対策を採っています。
■ジュエリーの素材の表示、説明に関する相談は全相談件数の17.4%
「宝石・貴金属の表示や説明についての相談」が消費者と事業者からそれぞれ寄せられています。
消費者や消費者センターからは、「ジルコニアダイヤモンド、CZダイヤモンドなどの表示で販売しているが、ダイヤモンドではなかった。」「Pt100と表示されているがプラチナ100%という意味ですか?表示に関して規程はないのですか?」「店頭でK18と説明を受けて購入したピアスだが、買取り店に持っていったらK9だと言われた。」「ハウライトという石に着色したものをターコイズ(トルコ石)と言って、販売していた。」等の相談や苦情があります。特に、ネットなど通信販売の相談では、誤認表示、不当表示の問題が殆どを占めています。一方、業者からも正しい宝石名や貴金属の表示法などを問う相談が多く寄せられています。
■リフォームについての相談
リフォームについての相談は31件で対前年度比横ばいとなっています。リフォームブームが少し落ち着いたようです。相談事例では「リフォーム後、短期間での石落ち。」「預けた時、傷は無かったのに、リフォームで宝石にキズをつけられた。」「自分の預けたものと違うものが戻ってきた。」等の相談があります。どこでキズが付いたのかが争われ、解決が付かないケースが多いので、リフォームの際には、両者で商品確認の書面を交わし、業者は出来上がり後の検品の徹底を行なうことが大切です。リフォーム業者の技術が未熟なケースもありますので、リフォーム後の短期間での石落ちについては、保険などで対処する事も必要になってくると思われます。
■PL関連の相談
PL関連の相談では貴金属の皮膚アレルギーについて、ジュエリーに含まれる有害金属(ニッケル、コバルト、鉛、水銀、カドミウムなど)の規制については、業者からの相談が殆どを占めています。
ジュエリーに含まれる有害金属を極力排除していこうとするジュエリー事業者の姿勢が感じられます。ジュエリーにも安心・安全を求める消費者の意向が反映されてきています。
■商品の価格価値に関する相談は増加
今年度、特定商取引法の一部改正で、「貴金属の訪問買取りについて」の規制は行なわれましたが、「店頭で行なわれている買取り」についても相談が寄せられ、「考えられないほどの低価格での売却だったことに後で気付いた。」「買取り明細書も発行されず、キャンセルしようとしたら、もう溶かしてしまったと言われた。」などの相談が消費生活センターや消費者から寄せられています。ジュエリーの買取り業者は「買取り明細書」等の書面を消費者に渡し、トラブルを未然に防ぐことが重要です。また、消費者はネットなどで貴金属の買い取り相場価格を調べるなど、情報収集をすることが大切です。
また、貴金属価格の高騰を背景に手持ちのジュエリーを店頭や催事などで売却する機会も増えており、以前購入したジュエリーの評価をめぐって「自分の購入したジュエリーが適正価格であったかどうか?」との相談も増えています。消費者は、購入前に色々なお店を見て回り、ジュエリーの品質と価格についての相場感を養うことが大切です。
■消費者向けの冊子「ジュエリーガイドブック」を発刊しました
消費者がジュエリーを購入する際に、正しい知識を身に付けていただき、消費者自らの判断でジュエリーを購入することの一助となるようにとの目的で本年3月に、JJAコンプライアンス委員会より冊子「ジュエリーガイドブック」を発刊致しました。どうぞご利用下さい。
【お問い合わせ先】
一般社団法人 日本ジュエリー協会 お客様相談室
TEL:03-6423-7415 FAX:03-3839-6599